F. ショパン
バラード(全4曲)
A. スクリャービン
ピアノ・ソナタ第5番嬰ヘ長調 Op.53 他
練習曲 Op.2-1 ハ短調、Op.8-1 嬰ハ長調、Op.8-2 嬰へ短調、Op.8-11 変ロ短調、Op.8-12 嬰ニ短調
ピアノ・ソナタ第5番嬰ヘ長調 Op.53
FONTEC FOCD20033
録音 2001年12月10,12,13日 彩の国さいたま芸術劇場
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批評
ぶらあぼ

ショパンからスクリャービンへと引き継がれていく音楽史の内的な流れを、ここまで的確に表現してくれる演奏は少ない。小柄な彼女のどこに、ここまでの力強さと説得力があるのだろう。必聴の一枚だ。 【堀江明朗】 ( 2003年4月号 )

批評
レコード芸術

…この人は、幾人ものすぐれた日本人ピアニストが出揃い競演のかたちとなった今月欄においても、己れの芸風の確立という点では抜きん出た印象を与える。…ショパンは、4曲それぞれに見事な好演と言っていい。言うならば主旨明快、表現も美しく的確な弁舌を耳にする趣の演奏、しかも大言壮語に終ることなく、言葉の綾もこまやかで快い、とそんな感じである。言い替えるなら、音楽をすっかり把握して身の内に取り込み、自分の言葉として吐露する境地に至った演奏、すでに一家をなした大家の演奏である。"大切な呼吸法"を会得したピアニスト、とも評せようか。このことは、スクリャービンの弾きぶりに対しても、そっくり同じように言えよう。充実した中堅ピアニストの存在を、肌に合ったレパートリーを介して、よく認識させてくれる点、これは価値高いディスクである。 【濱田滋】 ( 2003年4月号 )

レコード芸術 準特選盤